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後ろに回って馬の尻を覗いてみた
―――入口は十分大きい
たしかに入るだろう収縮のたびに
膣が少し開くのだがそれだけだ
英明の腕も
健二の腕もこれをやるには大きい
かといって雄介の腕では小さい
だからと言って自分にどうすることができるだろう?
みゆきは不安に牝馬の顔を見た
するとサザンロワイヤルの瞳から涙が
溢れていた
「この子・・・・泣いているわ・・・ 」
みゆきが不思議そうに尋ねた
「・・・・わかるんだよ・・・・
自分の運命が・・・ 」
健二が苦しそうに言った
「ちょっと!運命って何よっっ!
仔馬が生まれなかったらどうなるっていうのよ!!」
雄介がひ~んと健二にすがって泣いた
他の従業員も下を向いてうなだれている
「ねぇ!どうなるの? 」
みゆきも英明にすがって聞いた
英明が苦しそうに言った
「・・・・俺たちが育てた馬だ・・・
俺たちで楽にしてやらないと・・・ 」
――― 安楽死 ―――
英明の顔は強張っているが
真っ黒な瞳がみゆきを見つめている
みゆきはその黒い瞳を見上げた
奥の方で悲しみにキラキラ光っている
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