第五話 今夜月の見える丘で

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後ろに回って馬の尻を覗いてみた ―――入口は十分大きい たしかに入るだろう収縮のたびに 膣が少し開くのだがそれだけだ 英明の腕も 健二の腕もこれをやるには大きい かといって雄介の腕では小さい だからと言って自分にどうすることができるだろう? みゆきは不安に牝馬の顔を見た するとサザンロワイヤルの瞳から涙が 溢れていた 「この子・・・・泣いているわ・・・ 」 みゆきが不思議そうに尋ねた 「・・・・わかるんだよ・・・・ 自分の運命が・・・        」 健二が苦しそうに言った 「ちょっと!運命って何よっっ! 仔馬が生まれなかったらどうなるっていうのよ!!」 雄介がひ~んと健二にすがって泣いた 他の従業員も下を向いてうなだれている 「ねぇ!どうなるの? 」 みゆきも英明にすがって聞いた 英明が苦しそうに言った 「・・・・俺たちが育てた馬だ・・・ 俺たちで楽にしてやらないと・・・  」 ――― 安楽死 ――― 英明の顔は強張っているが 真っ黒な瞳がみゆきを見つめている みゆきはその黒い瞳を見上げた 奥の方で悲しみにキラキラ光っている
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