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この数時間で彼の記号のような言葉も
みゆきは解読できるようになっていた
人間の言葉に翻訳すると
彼の牧場に雄介の親が働いていて
今は事情があって彼が代役で
みゆきに会いに来て
明日雄介の親と話し合うために
自分の牧場に家庭訪問に来てほしい
ということだ
彼はまだじっとみゆきの様子を
うかがっている
みゆきの明日の予定はというとボロボロにしてしまった子供達の笹を治すだけだ
あとは自分の人生を嘆いて泣くだけ
それよりは生徒の抱える問題について
保護者と話し合うほうがましだろうし
笹は帰ってきからでも十分直せる
「わかりました!明日行きます」
すると英明もきちんと正座して向き合った
二人は正座して見つめ合った
しばらく沈黙が流れてまた英明がハッと
して異次元から生還して言った
「俺の牧場わかりますか?
ここから県境の高速道路の降り口を
右に曲がってすぐに8キロほど行って
そこを左に2キロ・・・ 」
英明の道案内を聞いていて
またみゆきがパニックになった
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