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みゆきは完璧なペーパードライバーだ
大阪に住んでいる頃には車の運転なんか
しなくても十分に生きていけた
電車、バス、地下鉄にタクシーは24時間
止まらず走っている
しかしここでは車の運転が出来なければ
死活問題だ
思い切って署が用意してくれた
ボロボロのアルトを運転しても
2車線しか無い山道を右へ左へ
くねくね運転ししかも反対車線の車と
すれ違うたびにぶつかるのではないかと
脅えるのだ
目印になるビルも歩道橋もここには無い
そのうち自分がどっちに向かって
運転してるのかもわからなくなってしまう
青ざめたみゆきの顔を見て察しがついた
英明が言った
「・・・・明日の朝・・・
俺はこっちにくる用事があるから・・・」
みゆきはその先の言葉を待った
「10時に喫茶薔薇園にこれるか?」
喫茶薔薇園・・・・・・
みゆきの家から国道沿いにそういえば
そんな看板の喫茶店があったっけ・・・
あそこなら車で5分
歩いても20分くらいだろう
みゆきは一人で未開の地を運転しなくて
いいとわかり本当に助かったと思った
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