第三話 不思議な人No2

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みゆきは完璧なペーパードライバーだ 大阪に住んでいる頃には車の運転なんか しなくても十分に生きていけた 電車、バス、地下鉄にタクシーは24時間 止まらず走っている しかしここでは車の運転が出来なければ 死活問題だ 思い切って署が用意してくれた ボロボロのアルトを運転しても 2車線しか無い山道を右へ左へ くねくね運転ししかも反対車線の車と すれ違うたびにぶつかるのではないかと 脅えるのだ 目印になるビルも歩道橋もここには無い そのうち自分がどっちに向かって 運転してるのかもわからなくなってしまう 青ざめたみゆきの顔を見て察しがついた 英明が言った 「・・・・明日の朝・・・ 俺はこっちにくる用事があるから・・・」 みゆきはその先の言葉を待った 「10時に喫茶薔薇園にこれるか?」 喫茶薔薇園・・・・・・ みゆきの家から国道沿いにそういえば そんな看板の喫茶店があったっけ・・・ あそこなら車で5分 歩いても20分くらいだろう みゆきは一人で未開の地を運転しなくて いいとわかり本当に助かったと思った
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