第四話 荒野のカウボーイ

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「ねぇ! あなたのそのジーパンの色! とっても素敵! それ!サーモンピンクっていうの? 」 あまりに馴れ馴れしく話しかけられたので 少し引いてしまったが みゆきは得意の愛想笑いをして言った 「え?ああ・・・このパンツ? これはピーチピンクよ     」 みゆきはしどろもどろになってしまった ジュン・タツコンビに指摘された 地味で目立たない服は連日の雨で 洗濯が追いつかなく渇いていないので しかたがなくみゆきが大阪に いた頃に愛用していたブランドの 洋服を身に着けていた 今日は家庭訪問とはいえ牧場に行くの だからすこしぐらい派手でもいいだろう そのかわりトップスは 真っ白の清潔感のあるシャツを着た 「すっごい! ジーパンのことパンツって言うの? イケてるわ! あなた新しく来た小学校の先生でしょ?」 「そうなの 」 こんな親切で人懐っこい感じの女性にまで自分の名前を 偽らないといけない事に みゆきは心が痛んだ
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