[ある日の出来事·1]

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[ある日の出来事·1]

久しぶりに夜、二人で出掛けた。 昼間の暑さも和らいで 大分過ごしやすくなってたし… でも… 手がね、とても冷たかった。 寒い?って聞いたら 「少しね…でも大丈夫だよ」って。 最近少し痩せてきたし 疲れてるように見える事もあったから 夏バテかなぁって思った。 なんだか心配になって 帰りの車の中で 何気なく様子をうかがってた 時々、大きなため息をついていた ハンドルを握る手 指だけがトントントントンと 忙しなく動いていた 開けた窓からは 涼しい風が入ってきていたけど 彼のこめかみからは汗が流れ落ちてた 本格的に具合が悪いのだろう… 「大丈夫?調子悪い?」 「…大丈夫だから。心配すんなよ」 少しイラついていた… 彼は普段から感情の起伏が激しい だからそれ以上は何も聞かなかった… 家まで送ってもらい 彼が帰宅した頃を見計らって LINEを送った…が、 既読になる事はなかった…
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