[ある日の出来事3]

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[ある日の出来事3]

お互い都合がつかなくて LINEや電話のやり取りだけが続き 会えたのは2週間後だった その2週間のあいだに 彼に対する1つの疑問が 私の中で少しずつ膨らんでいった 久しぶりに会った彼は また痩せたように見えた・・・ そしていつも通り 彼と一緒に過ごす あることを心に決めて・・・ ・・・私の思い過ごしであって欲しいと 心のどこかで願いながら・・・ 「煙草がなくなった」 彼はコンビニまで行くと言って 部屋を出て行った しばらくは戻ってこないはず・・・ 私は行動に出た 部屋のいろんなところを探した 何も見つからない・・・ ・・・やっぱり気のせいだったかな・・ ふと、ミニテーブルにある 2つの灰皿が気になった 2つあるのに いつも一つしか使っていない 私は煙草を吸わないから あまり気にしていなかった 使ってないほうの灰皿は 蓋を外すタイプのものだった 床に座り、灰皿に手を伸ばし、 蓋を開けた・・・・ 蓋を持った手が少し震えだした・・・・ ・・・見つけてしまった・・・ とても小さいジッパー付きの袋 その中には真っ白いものが入っていた・・・ ・・・気のせいであってほしかった・・・ 私の中にあった疑問が 確実に目の前で確定してしまった。 震える手で蓋を閉め、 灰皿を最初と同じ位置に戻し 彼が帰ってくるのを待った・・・ ・・・別れを告げるために・・・
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