第6話 清元の苦悩

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第6話 清元の苦悩

梨姫を乗せた輿が江戸の金崎藩邸へと出発した。清元は1人で考え込んでいた。 (梨姫を嫁がせて良かったのだろうか…でも仕方がなかったのだ。我が娘を嫁がせることは約束だったのだから) 清元は頭の中で実の妹にあたる百合姫を思い浮かべた。 (きっと百合は鶴長殿の立場を安定させたいのだ…そして縁者の者の方が自分達の味方になりやすい…だから我が家の姫を…) 清元は頭を抱えた。 (梨はどこか自分の気持ちに正直すぎるところがある。それが災いしないといいが… あぁ!のびのびと自由に育てすぎたのが悪いのだ。我が家の生活が他の武家では通用などしないのに…) 清元は我が子、梨姫が心配でならなかった。
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