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アパートに戻り、雨に濡れた上着を脱ぎ捨てると 違和感を覚えていたジーンズから手を入れると明らかに溢れていた。 ジーンズを下ろし下着になると そこがヌルっと感じる程になっているのを自覚した。 堪らなくなり布団に潜り込むと夢中で行為にふけり、 窓の外から雨音が小さく響く部屋の中で幾度も果てた。 毎朝子供達を保育園に送った後に帰宅すると布団に1人潜り込み、 行為にふけることがここ3週間も続いていた。 抑えきれない欲情を1人慰める事が日常化していた。 美穂は美人淡麗、男好きのする可愛らしさと 女優並みの凛とした雰囲気を持つ恵まれた容姿を授かっていたが、 性格が災いしたのか散々たる男性遍歴を持っていた。 幼い頃から大人達は容姿に優れた美穂に興味を持ち、大事に扱った。 男達はまだ幼い頃から美穂に対して性的興味を覚える輩が大勢いた。 小学、中学、高校、大学と あらゆる男達が美穂に触れようと近づいて来た。 男達が何を求めているのか美穂には幼い頃からわかっていた事、 母親や同居していた祖母や祖父から性的に厳しく教育された事もあって 男達の好きにはさせなかった。 しっかりした貞操概念が作られていたのである。 反面、美穂には悩みがあった。 物心つく頃から他人とは違うのではないかと思うほどに 強烈に湧き出してくる下半身の疼き。 表向きは気が強く一切性的な興味を見せないように生きてきたのは 自らが異常ではないかと考えていたからだ。 「美穂は色気がないからな」 「美穂は男みたいだしな」 こうした事を男友達や友人は口にした。その度に美穂自身も 「うん、まあね。男だからね私は。ははっ」 などとハッキリ公言していた。 己の中の底知れぬ欲望を悟られまいとしてわかりやすく否定してきた。
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