誓い

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誓い

美穂と光雄は暇さえあれば 連絡を取り合うようになっていた。 朝に起きれば真っ先にメッセージをみる。 トイレに行くときもスマホを離さない程だった。 「おはよう。」から「おやすみ」 まで事あるごとにやり取りをした。 夜も子供を寝かしつけてからも 布団の中で指を動かしていた。 「美穂ちゃんは彼氏と別れるか別れないか決めた方がいいと思うよ。 僕なら嫌だな。浮気になっちゃうし」 「だよね。わかってる。」 「うん」 「別れるって言う」 「いいの?僕で」 「光雄さんじゃないとダメだと思う。 正直ずっと気持ちは決まってたし、 光雄さんと会ってから彼と会ってないんだ」 「そうか。美穂ちゃんの問題だから僕は浮気はダメだと思うからさ。 やっぱちゃんとしたほうがいいと思う」 「わかってる。」 美穂は付き合っている彼、 和樹に連絡を入れた。 「和樹くん、話があるんだけど。電話していい?LINEじゃあれかなって」 既読になってから暫く返信がなく、 40分程してから返信が届いた 「なに?どした?いま手が離せないからLINEで送ってくれない?」 「別れたいなって。色々考えたんだけど。 まだ付き合って浅いし今言おうと思って」 次は直ぐに既読、返信が届く。 「え?なに?もう決めたの?なんかあったのか?」 「ごめん。正直、好きな人ができた」 「え?はやくね?付き合ってまだ直ぐだよ!信じらんない。」 「ごめんね。」 「わかった、もういいや」 あっけなく終わった。もっと激しい罵倒があるのかと思っていたが 想像と違った味気なさだった。 と、同時に光雄からのメッセージ通知が重なって表示される。 3回短い時間で連続。 「美穂ちゃん大丈夫?」 「別れるまで、やっぱり連絡やめとかない?」 「浮気になっちゃうからやっぱあまり好きじゃないんだ」 誠実なのか臆病なのか。 光雄は美穂に彼がいるのをわかっていて ホテルに入った。浮気だと知っていて。 厳密には光雄も別居しているとはいえ、 既婚者だ。不倫という事になる。 浮気はダメとか勝手だな、、、 と思ったものの奥に気持ちを仕舞い込み光雄に返信した。 「光雄さん、さっき別れました」 即座に返信が届いた。 「そうなの?良かったの?」 「まあ会ってなかったしね。好きではなかったんだと思う。 光雄さんの事が好きなの」 「僕もだよ。付き合ってくれる?妻とはもちろん別れる。 もう別居長いし時期的にももういい時期なんだ」 「うん。会いたい」 「会いたいの?」 「うん。」 「したいんじゃないの?」 「したいよ!」 「あら 笑」 美穂は光雄には性的な事も素直に 子どもの話でも何でも話せた。 年齢がふた周り以上も離れているからか、安心して話せたのだ。 性的なテクニック、話術、 話のネタの豊富さは飽きる事なくいつまでも一緒にいたくなった。
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