2人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
「——以上が経緯となります」
どうやら頭の痛い展開となりました。
彼女は軍部すら買収したようです。つまり僕達の誰かをここまで誘導するためにここまでしたということ。
しかし店まで誘導するのは大変でしたでしょう。
「あの、どうやって僕達をここまで案内できたのですか」
「えっと……灰何とかという方が、メンバーの一人に『チリ風エスカルゴ』に惹かれるって教えてくれました」
さて、ホームベースに帰りましたら彼を絞め殺すとしましょう。
灰かぶりはどうやって彼女と接触できたのか、大体想像つきます。しかし、よくまぁほいほいと僕達の情報を売りましたね。というより、ここまで奴の想定内の展開だということだ。
あのバーの一件、僕達を彼女と接触させようとしていた割には本気で殺しにかかってきている。どうやら美味しいところを頂こうという魂胆ですね。意外に腹黒い連中らですよねぇ。
僕はそっとスマートフォンを取り出す。
「さて、商談しましょう」
にこやかに、聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!