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Episode.3 Overload
◆ハンコック視点
カジノで遊んでいたが、エリアスから連絡が入りこうしてカフェにいる。どうやらここのマスターであるアンネさんという人が俺達の探していた「ニケの女性」らしい。
エリアスの話によればゴーゴンの遺言に従い、俺達をチリに呼ぶために情報を流したらいし。
「あの、コーヒーとミックスピザです」
結論を出す前に取り敢えず飯だな。俺はカジノやりまくって腹減ったし、ノルデに関してはこんがりと焼けている。
しっかし、旨そうなピザだよな。サラミにモッツアレラ、バジル、トマト、オリーブ——ピザ好きにはたまらない逸品だ。こう、ぐわぁーと伸びるチーズがいいんだよ。芸術だ。
エリアスは最初から気になっていたチリ風エスカルゴを食べているが、俺は苦手だ。
元々虫が嫌いなんだよ。アワビとかサザエとかはいけるけど、エスカルゴは同じ甲殻でも虫だから駄目だ。何であんなに旨そうに食べるんだよ。
あいつ遠い先祖がイタリア人だから食べられるんだ。うん、そうだ。
「……(ニヤ)あ、そうですね。ハンコックさんは虫が大の苦手でしたもんねぇ。今度昆虫フード食べますか」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「おい、こいつ気絶すると起こすのが面倒だから虐めるな」
「辛いのも虫も苦手って、こいつ何がいいんだ?」
た、他人事みたいに言いやがって!
エリアスだって酒もあまり飲まないし、静電気苦手だし……静電気は誰も苦手か。いや、待て。あいつは何が苦手なんだ。
むむ、ファントムなら奥さんか。
「ふふふ」
「すみませんね。こいつら馬鹿で」
俺達のやり取りを見ていたアンネから笑顔が漏れた。
これじゃ、俺達がバカミタイジャナイカァ。
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