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「んー……」
奇子が浮かない顔をして自分の唇を触り、珈琲を一口飲んだかと思えば、また指先で唇をなぞる。それを見て、ちょっとしたイタズラを思いついた。
「奇子」
「なんですか? ……んっ!?」
こちらに振り返った奇子に、キスをする。薄目を開けて見ていれば、奇子は目を丸くしたあとに固く閉じる。
唇を離せば、顔を真っ赤にしている。
「キスして欲しそうに見えたが、違うか?」
喉を鳴らして笑えば、奇子は首を横に振った。
本当にキスを欲していたのは、さすがの俺でも予想外だった。
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