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3時になると彼奴は暴れだす。
午前か午後か? そんなもん決まってやしない。太陽が出ていようが、赤い月が妖しく夜道を照らそうが彼奴には関係ない。
彼奴は吸血鬼でも人狼でもないんだから。
なら彼奴とは人間なのかだって? 馬鹿言っちゃいけねえよ。
人間ならそんなもんすぐにお縄よ。彼奴が現れて半年、白昼堂々での犯行もざらにあっただろ。
つまりマッポなんざ手に負えないってわけよ。
そこでだ。脛に傷を持った奴らが1枚噛みに群がるわけよ。政府に取り入ろうする連中、逆に彼奴を取り込もうとした奴らなんてのもいたな。
そこでよ、腕のいい殺し屋、特に扱いきれてねぇ狂犬を彼奴に吹っかけるのよ。
ところがよ、裏の世界でさえ都市伝説になるような曲者たちがよ、全員返り討ちに合うわけよ。
一躍大スターだ。都市伝説の総上書きよ。
どこへ行ったら見れるか? そんなもんわかったら、誰も苦労しねえし、人も死なねえよ。
何処にに現れるか、何人殺すか、証拠を残すか、すべて彼奴の気まぐれよ。気分次第では目撃者と一緒に写真撮ったりしてんだぜ。中には中坊ぐらいのガキに囲まれてなんてのもありやがる。
全くよう、世も末だよな。それはそうとよ。もう3時だぜ。行かなくていいのかい?
何? それはまたお前さんも酔狂な奴だな。いいぜ、こっち来な。
貸せ、俺が撮った方が全体が写るだろうがよ。
ん? 操作だって? へへっ、慣れたもんよ。
いくぞ、はいチーズ。
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