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昨晩、帰宅しそのまま就寝したが二階に誰かが上がるような物音すら聞こえなかった。太陽が昇ってから会う人間はアンヘルが初めてとなる。
「ふうん。思った以上に常識に欠ける奴だな。俺も見たが変わり者だ。『天使殺しのみ引き受ける』と依頼を断りまくってるらしい。俺の依頼も断りやがった」
「スーリと話が合うかもな。あいつは天使が嫌いだ」
「奴の方が変わり者だぞ。それに、いつここに寄るのか分からんだろうが」
スーリと呼ばれるその武器屋は確かに風変わりだった。
髪色や瞳の色をしょっちゅう変える。変えるといっても基本的に桃色の髪か白髪のどちらかだ。天使と発狂者が嫌いで女でありながら武器屋になったとは聞いているが、それもそれですごい決断力だ。
「じゃあ、単にお前の信用不足だ。酒でも飲みながら接客したのか?」
俺はそう茶化しながら書類を引き出しに戻す。
「再調査だ。行ってくる。皿は洗うから流しに置いとけ」
「おう、あんがとよ」
アンヘルは再び俺の料理に手を付けながらヒラヒラと手を振る。
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