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『それ』は変わらず元気に跳ねながら素早い動きで遠ざかっていく。俺は恐れも忘れてただひたすら追いかけた。
人間よりも移動速度のある『それ』は、しかし軽快な足音が聞こえる為、重さのある物体という事が理解できた。
しばらくその光を追っていたが、捕まえることは出来なかった。
走るスピードを徐々に落とし、ゼェゼェと肩で息をする。それ程までに全力で長い間走ったのだ。心臓は五月蠅く、額には大粒の汗が浮かぶ。
彼は不思議な光景に一瞬呼吸するのを忘れた。
目の前には一つの家がある。
他と比べてやや小さめの家はそれでも金持ち特有のシンプルさと上品さを持ち合わせている。庭も広く白いペンキで塗装されたガーデンフェンスもある。しかし、問題は中身だ。その家には青白い光が幾つも存在している。
先程追いかけていた物と同じ光を放つそれは同じ光に思えたが、しかし動く事はない。
「あれは何だ?」
俺は天使降臨を見ていない。なのでその時放たれた光がどういった物か分からない。もし、これがその光だったとしたらここでも天使降臨の儀式を図っている人間がいるという事だろうか。
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