1人が本棚に入れています
本棚に追加
シーズン1-13【期末試験】
修学旅行から帰ると期末試験が待っていた。
わたしはこの学校に入学した時に
テスト全て満点を取るって決めていた。
そしていまのところそれを達成している。
うちの学校は
少し裕福な家庭の子が多くて、学費も高い
うちの家計では絶対苦しいはずなのに
高校を決めるとき
両親は何も言わず
わたしの希望を聞いてくれた。
だから、特待生として
学費を免除してもらっている。
そして満点取るって決めてる。
--------
「高2になったら数学難しくなったよね~
ねぇ茜の彼に頼んでもらえないかな~」
「承太郎くんがいるじゃない」
「あんなことあったから頼めないよ」
「そう。わかった今聞いてみるね」
ピッコン♪
「オッケーだって!いつにする?」
ピッコン♪
「今日でもいいかって」
「わー助かる~今日でいいよ」
「おっけ~じゃ今日の17時に中駅で待ち合わせね!」
--------------
そして放課後
「よう、お待たせ~」
「おいどいうつもりだ!」
えっ承太郎くん・・・
「しずくちゃん、
俺より承太郎の方が数学得意だから、なっ」
「おいっ!お前」
「無理やりちゅ~しちゃったんだろ、
お詫びしないと・・・ねっ!」
「えっちょっと!」
あかね~司くんに言ったなっ!
---------
「じゃっそういうことで~
俺たちデートだから」
茜がウインクしてる。
「・・・・」(承太郎しずく)
「はめられたな」
「じゃお詫びよろしくぅ~」
「お前」
お詫びでもいいやっ!ありがとう茜さま!
--------
「ねぇ今日から毎日みてくれるの?」
「他の科目もあるから毎日は無理だろ?」
「他の科目は大丈夫、完璧!
だから数学を集中的にやりたいので
お願いします!」
「・・・」
「嘘じゃないよ!ほんとだもん
だいたいの事は授業中に
覚えちゃうようにしてるから!」
「ほんとかよっ
じゃーまずこれ解いてみろっ」
-------
「・・・おまえさ~
一人でも解けてるじゃねーか
何を教えればいいんだよ」
「ダメなのこれじゃ!
ちゃんとわかってないの!
感で解いてるだけ!
わたしは満点取らないといけないから、
それじゃダメなの!」
「満点取る気なのか、おまえ」
-------
「そうだけど文句ある!」
「ふぅん。ないけどっ」
わたしの真剣さが伝わったのか
そのあとはからかったりしなかった。
「いい参考書があるからうちに寄ってくか」
「えっ!いいの?」
やった~承太郎くんちに行ける!
------
「なぁ、あの時お前は本当に何もみてないのか?」
「だから何もって何?
具体的に言ってくれないとわからない」
「例えば記憶とか?」
「ん~ん
思い出しそうで思い出せなかったんだよな~」
「おみやげだろっそれ!」
「あ~その時!
でも思い出せなかった・・・
それがどうしたの?」
「いや、何でもない・・・」
「何でもないって何!?すごく気になる!」
「お前が知らないなら、俺の気のせいだ」
「・・・」
------
帰りに承太郎くんの家に寄った。
「ここが承太郎くんち?
スッゴイおっき~お坊っちゃまなの?」
「まーなっ」
認めるのかっ!
「おかえりなさいませ、坊っちゃん」
「ただいま」
ほんとだ~坊っちゃんだってっ
ぷぷぷっ
黒い大きな車を運転手さんがみがいてる。
そっかうちとは比較にならない
だからわたしと関わることをあんなに拒むのかな?
---------
「ちょっと待ってろ」
「はい」
・・・あれ?あそこにいるのは柚希ちゃん?
公園のベンチに柚希ちゃんらしき人がいた。
「はい、これ」
「ありがとう」
「・・・あいつまたあんなとこに・・・」
承太郎くんが柚希ちゃんを見つけた。
---------
「山田さん、すみませんがこいつ送ってもらえませんか?」
「かしこまりました」
「三丁目の交差点の辺りなので、お願いします。そこまで行けばお前説明できるだろ?」
「あっうん。」
「じゃあお願いします。」
「かしこまりました。お嬢さまどうぞ」
と田中さんだか山田さんだかが
扉をあけてくれた。
------
こんなの初めてだったからドキドキした。
けど、承太郎くんの事が気になった。
私が車に乗り込むと
承太郎くんは柚希ちゃんのところに向かっていった。
そんな承太郎くんを目で追った
えっ~なんか抱き合ってない?!!
と思ったら二人はどんどん小さくなって
見えなくなった。
山田さんだか田中さんだかスピード出しすぎでしょ~。
二人があの後どうなったのかすごく
すっごく気になった。
-------
最初のコメントを投稿しよう!