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シーズン1-5【ときめき】
あれ?こいつ同じホームだっけ?
「あれ?きみも同じ方向??」
「いやっ、暗くなってきたから家まで送ってやる」
「あっありがとっ・・・」
いいとこもあるじゃん
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電車は混み合ってなかった。
「それにしても、おまえあんな人のいっぱいいるところでよく号泣できるなっ!」
「はぁ~きみねぇ~人のこと泣かしといて何様のつもりぃっ!!」
「俺は泣かした覚えはない、
おまえが勝手に泣いたんだろ」
「あぁぁ~もういいです。
駅についたんでじゃっ!」
と電車降りたら、
あいつも降りて改札までついてきた。
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「えっちょっと、なに?
私の家知ろうとしてる?
ちょっと!ストーカーは
きみの方じゃないの!?」
「家までといったはず・・・
やならいいが・・・」
と言って反対側のホームへ向かおうとした。
「ちょっと待った!、ちょうどいい。
ポチ見せる。」
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そうだよね。
電車を送ってもらったって意味ないよね。
普通女の子を送るっていったら
暗い夜道だよね。
んん・・?でもなんで駅から自転車とか、
バスだとか思わなかったの?
まるで歩いて帰るの
知ってるみたいな・・・。
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私の家は駅から歩いて10分のところにある一戸建て。大きくもなく、小さくもなく、普通の家だ。
「どうぞ」
「おまえあまり知らないやつ
ノコノコ家に入れていいのか?」
「よくないでしょう~普通
でもいいからはいって!」
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「しずくちゃんお帰りなさ~い、
あらお友だち?
あらっイケメン!彼氏?」
「あぁぁ、ママただいま。
違うの、仕事の友達。
送ってもらって・・・。
見せたいものがあるから。
ちょっと上がってもらうね。
すぐ帰るからお茶とかいいからね。」
「まぁっ。送ってもらったのにお茶出さないの?」
「いいからいいから。承太郎くんこっち」
「おじゃまします。
ほんとすぐに帰るのでお構い無く。」
わたしの部屋は2階へ上がった奥の部屋
「仕事の友達ってモデルの事か?
気に入らないな」
「もうっ!そんなとこ気にする?」
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わたしの部屋に入ると
ポチは銀色の長い髪に
着物のような姿の男性に変わり
ひじ掛けの付いた赤い一人掛けソファーに
偉そうに座った。
「良くこられたな、承太郎殿」
「まじか」
「だから言ったでしょ~」
「でおまえは何者だ!」
「わしはしずくに使えている者としかわからない・・・」
「だから何もわからないんだって!
だから仲間を探してるの!」
「仲間?」
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「そう!たぶん承太郎くんは仲間だと思うんだけど・・・」
「・・・悪いが、本当に『星のかけら』も知らないし、何の心当たりもない。
仲間だと言われても困る」
「でもポチ見えるんでしょっ!このまま見捨てるの私たちにを・・・
さっき私を散々いじめたおわびと思って・・・」
「いじめた覚えはない、
何もわからないし、何もできない。
悪いが帰る!!」
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帰ろうとしたその時
急に外が騒がしくなった。
ギャーギャーと聞いたこともないくらい
けたたましい獣の鳴き声がする。
「なっなにこれっ!」
わたしは窓を開けて外を見てみた。
窓を開けると何も聞こえなくなった。
「あれ?やんだ・・・?」
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!!
気が付くと、彼がわたしの後ろから
覆い被さるように窓の外を見てる。
ひぇ~彼に包まれてる感じ
ちょっと接近しすぎじゃない。
意識しすぎて背中に全神経が集中してる。
うっわ~やばいドキドキするじゃん
わたしはあわてて窓閉めようとした。
「なんだったんだ?
今の、尋常じゃない鳴き声は?」
「でっでも、すっすぐやんだね。」
ひゃー
おもいっきりどもってんな私。
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必死に動揺を隠していたら
今度はいきなり強い地震がきた。
立ってられずわたしは床に伏せた
すると彼がわたしの上から覆いかぶさり
守ってくれた。
地震はすぐにおさまって
気づくとわたしの顔のすぐ横に彼の顔が!!
「きゃーちょっときみ何してんの!」
「うわっ!!わりー」
「しずくちゃんどうしたの~大丈夫~」
ママが慌てて2階へ上がってきて
わたしのへやの扉をノックした。
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わたしは動揺したまま扉を開けて
「ママ達こそ大丈夫だった?
今の地震すごく大きかったけど!」
「えっ。地震?そんなのあった?」
「あったよ~すごい大きかったよ!
だってほらテレビつければわかる」
テレビを付けたがそんなニュース速報は流れていなかった。
「あれ?あれ?」
「まっ大丈夫ならいいわっ」
と言ってママは下に降りていった。
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「ポチどういうこと?」
「わしにもわからない。
しずくが歪みを整えてないからじゃなか?」
「わたしのせい?!」
「おい承太郎どうした?」
「わるい、俺帰るは」
と言って部屋を出ていってしまった。
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「ちゃんと人間だったでしょっ」
「ああっ、わるかったなバカにして」
「わかればいいのよっ」
と靴を履いている彼の肩をぽんと叩いた。
「うわっなにするっ!!」
「そんな強く叩いてないでしょっ!」
「おおっそうか、じゃあなっ」
「送ってくれてありがとう」
なんだあいつへんなの?
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