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シーズン1-6【夢に】
俺は真壁承太郎(まかべじょうたろう)
幼稚舎から大学まである一貫校に通う高2
昨日はあいつの家を慌てて出てきてしまった。
あの地震みたいなものが起きたとき
とっさにあいつを守らなきゃいけない気がして、
それと同時にあいつの温もりにずっと触れていたいと思ってしまった。
いつも冷静な俺が、
今まで抱いたことない感情にかなり動揺した。
「おーい承太郎、どうだった?
昨日は、ライン交換できたか?」
「交換はしてないけど、
あのあとあいつんち行った」
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「へぇ~なに?
家まで押し掛けちゃったの?
手が早いね承太郎くん!」
「ちがうはっ!送ってっただけだ!」
「何ムキになってんだよ。
にしては顔が赤いけど?」
「ねーねーみんな承太郎が、
しずくちゃんとキスしたんだってぇ~」
「ばかっおまえちがう」
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司のやつが余計ないこと言うから
女子が集まってきたじゃねぇか
「えー何々?承太郎がどうしたの?」
「お前らがこの間言ってたモデルのしずくちゃんと承太郎がきっ!」
ふがふが
「なんでもない」
「承太郎?・・・」
幼馴染の柚希(ゆずき)だ
「ほんとなんでもないんだ」
「そう」
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ひとまずひと気のないところへ避難した。
「おまえな~そういうデタラメなこと言うなっ!」
「柚希ちゃんかぁ?」
「ちがう、あいつはただの幼馴染」
「二股はダメだよ~承太郎くん」
「おまえ余計なこと言ったらぶっ殺すぞ!」
「おーこわっ」
司のやつ変なこと言わなきゃいいが
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宮本柚希(みやもとゆずき)は
幼稚舎から一緒で、家も隣。
親同志が仲がいいから
子供の頃から家族ぐるみで付き合っている。
だから必然的にいつも一緒につるんでいた
それ以上でも以下でもない。
柚希はどう思っているかわからないが・・・
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昨日あいつには心当たりがないと言ったが
本当は2ヶ月くらい前、夢にあいつが出てきた!
俺に向かって「助けてくれ」と言っていた。
そしてあの満員電車で
最寄りの駅で降りられず
遅刻覚悟でそのまま乗っていたら
あいつが乗ってきた。
そのあと何度かあいつの後を付けて・・・
ってストーカーは俺かっ?
違うあの狼が気になった
なんで俺に見えるのか
何者なのか
せっかく本人に聞けたのに
なんの解決もしなかったなっ
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でも、これ以上関わらないと決めた。
関わってしまったら今までの俺ではいられなくなる気がした。
あいつに会うと複雑な気持ちが沸き上がってくる。
それが何なのかわからないが
わからないから不安でたまらなかった。
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