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シーズン1-8【ライバル】
「柚希何見てるの？」
「あっ何でもない・・・」
あの子のタイムライン見てた・・・
彼女は自由でのびのびしていて、
やりたいことやっていてうらやましい。
わたしには彼女が輝いて見えた。
そして自分がすごくみじめに見えてきた。
承太郎はきっとこういう子が好きだよね。
わたしに気を使ってあの子を遠ざけようとしているのは分かっていた。
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わたしは宮本柚希(みやもとゆずき)
祖父は指揮者、父はバイオリニストで、
母はピアニストの音楽一家に生れた。
父の事が大好きだったわたしは、
父に誉められたくて3歳からバイオリンをはじめていた。
3歳年下の妹も私の真似をしてバイオリンをはじめた。
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私は色々な賞も取って将来は父みたいなバイオリニストになるって決めていた。
だけど、
わたしが小学校高学年になった頃から
父が誉めるのは妹ばかりになった。
確かに妹はわたしなんかよりも
ずっと才能があった。
わたしは頑張れば頑張るほどうまく弾けなくなって、
今では毎日のように父に叱られるようになってしまった。
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承太郎とは家が隣で両親同志が仲良かったからわたしたちは赤ちゃんの頃から一緒にいた。
承太郎はおとなしい私をかばってくれて、
わたしは何かあればすぐに承太郎に頼っていた。
承太郎はそんなんわたしをいつも守ってくれた。
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お互いの両親の間では私たちに結婚してほしいと思っていて
それを子供の頃からさんざん聞かされていて
それが暗黙の了解のようになっていた。
このまま大人になれば承太郎と結婚できる。
だけど、きっと承太郎にとって私は
永遠に恋愛対象にはならない。
それはいままでずっと一緒にいたからわかる。
妹みたいな存在でしかないのは分かっている。
あの子に出会うまでは
それでもいいと思っていたのに・・・
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わたしはその夜不思議な夢をみた。
何故かあの子とわたしは小さいころから親友で
いつも一緒に丘の上で花を摘んだり歌を歌ったりして遊んでいた。
彼女が歌を歌うと
どこからともなく小鳥が集まってきた。
真似して私も歌ってみる。
すると彼女が
「素敵な歌声！」
と言ってくれた。
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それから丘へ行くたびに「歌声を聞かせて」とせがまれた。
あまりにも嬉しそうに聞いてくれるから
わたしは一人でも丘へ行って
毎日歌を練習していた。
それがとてもとても幸せだった。
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