いつまでも、ふたりで

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「食べようか」 ホテルの豪華なディナーを前にして目を輝かせてるあたしをよそに平然とした目の前の彼は、ナイフとフォークを手にしている。 竜くんにとっては、こんなの普通の料理なのかもしれない。 でも、あたしにとってはなかなかない機会だからつい目が輝いてしまうものだ。 「茜?食べないの?」 ナイフとフォークを使って、丁寧に自分の前の肉を切ったあとあたしを不思議そうに見る。 「食べるよ。ただ、なかなかない機会だから目に焼き付けたくて」 「はは、かわいいなぁ。ほんと」 それはもう愛おしそうな目であたしを見つめる。 竜くんの目はいつも愛に溢れていて。 全身であたしのことを愛してくれていた。 「暖かいうちに食べなよ。ほら」 あたしに自分のフォークに刺さった肉を差し出してくる。 「もう、自分で食べるよ」 「いいから食えよ」 あたしの言葉には納得してくれないらしく、手を引っ込めない。 「もう……」 仕方なく、あたしは竜くんのフォークから肉を口に入れる。
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