いつまでも、ふたりで

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「はは、いいな。これ」 初めて〝あーん〟とかいうバカップルのようなことができて御満悦そうな竜くん。 「もう、竜くんがそんなことしたがるなんて思わなかったよ」 「たまにはな。今日は特別な日だろ?」 「うん……」 今日は、5月23日。 一年前の今日、竜くんと初めてのキスをした。 竜くんとあのキスがなかったら、あたしはこの人のことを意識していなかったんだろうから。 付き合い始めた日よりも、大事で忘れられない日だ。 「あれから1年かぁ……」 「早いよね」 「ほんとだな。あの時内心俺、めっちゃドキドキしてたんだよなー」 竜くんの言葉にクスッと笑ってしまう。 だって、あの時の竜くんは余裕そうにしか思えなかったから。 キスの日。 そんなことを口にして。 ──しちゃおうか、キス。 そんなことを言う人に、ドキドキしていたなんて言われても信じられるわけが無い。
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