禁区のオンモラキ

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 その日の夜、件のライターさんからメールが届いた。 「マル様初めまして。私はライターをしてるハナと申します。自分は地方の伝奇などを蒐集してまして、デーデーに大変興味を持ちました。鬼沼津村について調べたところ、どうも不可解な事があるんです。お会いして、お話を伺いたいのですが・・・。よろしくお願いします」  私はデーデーに興味をもってくれて嬉しかったのと、村に不可解な事があるというのが気になり、こちらこそお会いしたいと返信した。  トマトレッドの軽自動車でハナさんは待合場所にやってきた。 「マルさんにお会いできて光栄です。さ、乗ってください。お菓子とコーヒーも買ってきたのでよかったら・・・。鬼沼津村まで一時間以上かかりますから」  ハナさんとは今日会うまでに数回、メールのやりとりをし、現地に行ってみようという事になったのだ。 「うはっ!ハナさん!このあんこマカロン激ウマです。あんことコーヒーはいいハーモニー生み出しますよねぇ」 「マルさん、それもう八個目・・・。ところで写真は見つかりました?」 「ああ、私が鬼沼津村にいた頃の。探したんですが無かったです。小学校に上がる前に引っ越したとはいえ子供時代の写真て親はバシャバシャ撮りまくるもんですのにね~一枚も無いって!」
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