禁区のオンモラキ

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  ハナさんは首を横に振った。 「その必要はないと思います。マルさんが村の出身なのでオンモラキは夢に出てこないでしょう。ああいう場所に行くにはルールを守るのが大切なんです。 守れないと、兄みたいに命を落とすことになるんです。  兄のパソコンを調べると拝み屋さんやらお寺、神社のリストが入ったフォルダがありました。  そして日記を見たら、拝み屋さんにお祓いを頼んだものの、軒並み断られたと。人柱の怨念は凄まじく強力で、命と引き換えるくらいで挑まないと祓えないと言われたと書かれてました」 「そうなんですか・・・。」 「鬼沼津村の事を記事にするつもりでしたが、世に出すのは止めときます。こういうのは、そっとしておくのが一番いいかなと思うし」 「触らぬ神に祟りなし・・・ですね」  自宅に帰り布団に入ったものの、中々寝付くことができなかった。 万が一夢にオンモラキ(別名デーデー)が出てきたらと思うと身がすくむ。 が、疲れもあり、いつのまにか眠りに落ちていた。   夢は何も見なかった。 起きてすぐ、ケータイを見るとハナさんからメールが来ていた。 「マルさんおはようございます。夢は大丈夫でしたか?私はオンモラキは出てこなかったんですが、マルさんが出てきて、50センチはある栗羊羹を食べるよう強要される夢を見ました。  今度良ければ和風カフェに行きませんか?」  私はすかさず返信した。 「こちらも夢はノー問題!和風カフェはOK牧場!」 
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