25人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
禁区のオンモラキ
子供のころ、悪戯したり親の言うことを聞かないと、大人達に
「そんな悪い子には、デーデーがやってきて頭から食べられるぞ」
と脅された。
デーデーはフクロウの身体に鬼をさらに怖くした顔の魔物らしく、2メートルはあり、獲物を両翼で抱き込み大きな口で丸呑みするという。
「ぎゃははははは!」
久しぶりに会った友人とランチに来て、子供時代の話になったので、デーデーの事を話すと豪快に笑い飛ばされた。目に浮かんだ涙をぬぐいながら友人は、
「マルってそんな作り話信じてたんだ~。ピュアだったんだね。今はこんなに腹黒いおばはんなのに」
などと言う。
「う~ん。なんかリアルに話されたから印象に残ってるんだよね。」
「マルの子供時代どこ住んでたの?」
「鬼沼津村。過疎化が進んで、もう住人はいないらしい」
「ああ・・・うちの県はそういう地域多いよね」
友人とランチした数日後、彼女から連絡があった。
「しもしも、マル?あのさ、こないだデーデーの話してくれたやん?
知り合いのライターにそれ話したら、えらい興味もってさ。住んでた村のことも含めて話を聞きたいんだって!ユーのメアド教えてもOK?」
特に断る理由もなかったので、
「OK牧場!」
と快諾した。
最初のコメントを投稿しよう!