禁区のオンモラキ

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禁区のオンモラキ

   子供のころ、悪戯したり親の言うことを聞かないと、大人達に 「そんな悪い子には、デーデーがやってきて頭から食べられるぞ」 と脅された。  デーデーはフクロウの身体に鬼をさらに怖くした顔の魔物らしく、2メートルはあり、獲物を両翼で抱き込み大きな口で丸呑みするという。 「ぎゃははははは!」  久しぶりに会った友人とランチに来て、子供時代の話になったので、デーデーの事を話すと豪快に笑い飛ばされた。目に浮かんだ涙をぬぐいながら友人は、 「マルってそんな作り話信じてたんだ~。ピュアだったんだね。今はこんなに腹黒いおばはんなのに」 などと言う。 「う~ん。なんかリアルに話されたから印象に残ってるんだよね。」 「マルの子供時代どこ住んでたの?」 「鬼沼津村。過疎化が進んで、もう住人はいないらしい」 「ああ・・・うちの県はそういう地域多いよね」    友人とランチした数日後、彼女から連絡があった。 「しもしも、マル?あのさ、こないだデーデーの話してくれたやん? 知り合いのライターにそれ話したら、えらい興味もってさ。住んでた村のことも含めて話を聞きたいんだって!ユーのメアド教えてもOK?」  特に断る理由もなかったので、 「OK牧場!」 と快諾した。  
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