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逆ハー没案
そんなこんなで
なし崩し的に始まった、
イケメン四兄弟との共同生活。
それは逸花の想像を越えた
日常の幕開けでもあった。
実家からの引っ越しを終え、
はじめて迎えた朝。
前日の引っ越し作業だけで
恐ろしいほどの心労に見舞われた逸花は、
何事もなく朝が来たことを呪った。
頭の中をリフレインするのは、
昨日の引っ越し作業でのワンシーン。
これは昨日の昼、
引っ越し作業を手伝いに来た
三男・潔癖症眼鏡男子のアサギが
逸花の部屋をはじめて見た時の第一声である。
「なんだこの魔窟は……。
人間が住んでいたとは思えない部屋
だぞ……」
※ごく一般的な女子の部屋です。
そこからが大変だった。
アサギの指示のもと逸花は、
すべての持ち物を除菌する羽目になった
挙げ句、
引っ越し先の部屋までも丸々
除菌&消臭作業をさせられたのだ。
「腕から死ぬ……」
という逸花の泣き言も聞いてはもらえず、
引っ越し作業は深夜にまで及んだ。
そして、朝が来たのである。
「昨日の晩は
実家で食べたから良かったものの……。
アサギさんと一緒に朝食とか、
考えただけで怖いんだけど」
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