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俺は死んだ。死因は過労死。
「地獄の沙汰も金次第」
死後の世界を信じていたわけではないが、俺はそれなりに金を稼いでいた。
過労死するくらいには稼いでいた。
もし地獄行きになりそうだったら、閻魔に
賄賂でも渡して天国行きにしてもらおう。
閻魔「判決はルーレットで決めてもらう。」
…なんだって?天国か地獄か運次第だと?
閻魔「この亡者を連れて行け。次の者。」
獄卒「それではこちらへどうぞ!」
俺は大きなルーレットの部屋へ通された。
獄卒「チャンスは1回限りです。」
ちょ…ちょっと待ってくれ。
地獄の沙汰は金でどうにかなるんじゃ?
獄卒「それが禁止になったんです。」
そんな運任せで地獄に落とされたら理不尽だ!無責任だ!
獄卒「申し訳ありません。規則ですので。」
嫌だ!絶対にルーレットなんか回さないぞ!
獄卒「では地獄行きになります。」
なんだって?それこそ理不尽だ!
獄卒「申し訳ありません。規則ですので。」
なんという無慈悲な奴らだろう。
俺はしょうがなくルーレットを回した。
ヒュルルル…ルル…ルル…
獄卒「結果は…」
俺は地獄行きになった。
閻魔「ルーレット制度を導入してから、裁判がスムーズだな!」
獄卒「渋る亡者も多いですがね。」
閻魔「しかし回さなければ地獄行き。天国の可能性があれば回すだろう。」
獄卒「そうですね。運次第ですから。表面上はですけれども。」
閻魔「あのルーレットは地獄行きの亡者が回しているだけだからな。」
獄卒「本当は地獄行き確定で、どの地獄に落ちるか決めてるだけですからね。」
閻魔「地獄の沙汰も運次第」
獄卒「100年後には現世で言われますよ。 」
閻魔「さっきの亡者は過労死だが、詐欺やWeb犯罪で荒稼ぎしての過労死だったからな。当然地獄行きだ。」
皆さんも行いには気をつけて。
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