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「おやすみー、悠太」
隣で寝転がっている悠太の頬にキスをする。
最初こそは恥ずかしかったけれど、頬くらいならさらっとキスできるようになった。
これが唇となれば話はべつである。唇と頬と同じようにキスができればいいのに。それが本心。
「おやすみ」
悠太も同じようにいづきの頬に唇を寄せた。いづきの頬はあたたかくて気持ちいい。
唇にキスしたい。けど自分を抑える自信がないうちはだめだ。
いづきの頭を撫でる。いづきは嬉しそうに笑った。
その表情を見ているだけでこんな気持ちになるのだから、自信なんか持てるはずもない。
キスしたい。
それ以上のこともしたい。
いつできるんだろう。
いつ自信が持てるんだろう。
互いに好きあっていてもなにを考えているかまではわからない。
思っていることを話せばこの問題も解決するかもしれない。しかしこのカップルには難しい話だった。
そう、これはこの二人がキスまたはそれ以上のことをするまでの長い長い物語である。
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