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「森國社長?」
「なに?」
「七尾所長から聞いたんです。」
「うん。」
「大学時代、随分女性を取っ替え引っ替えしていたんですって? 」
「えぇっ⁈ なんで? そんな話知ってるの? 」
肩を掴まれ、ガバッと引き剥がされる。
「だから、七尾所長が話してくれたんです。」
「… いやぁ。 あの頃は若気の至りというか、春日さんは全然気が付いてくれないし、若い身体は、ホラ、どうしても現実の触れ合いを求めちゃうだろ? それで、言い寄ってくる子に適当に手を付けてたというか… なんというか… 」
「へぇ。案外不誠実な事しちゃうんだ。」
「… そんな風に虐めないでくれよ。そんな時代は、ほんの一瞬だよ? 卒業してからしてないよ? 」
「でも、その後もいつも綺麗な人を連れてたって聞きましたよ。」
「それは、僕の仕事柄も有るんだよ。僕は美しいモノが好きなんだ。」
「そうですね。七尾所長も美人ですもんね。漆黒の天使の様に美しいですもんね。」
「それはそうなんだけど… あれ?なんでこんな話になってるの? 僕、責められてる? 」
「ふふっ。 ごめんなさい。なんか虐めたくなっちゃって。 」
「なんだよ。」
「いつもクールな森國社長の困った顔も、良いなぁって。」
「よし。 いつもの笑顔が戻って来たかな? 君は笑顔が一番良いよ! 」
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