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「旬くん。 おススメ、山ね」
「はい。 分かりました」
山とは、売り切れの事だ。
山の頂上に到着すると、その先には何も無い事からくる表現らしい。
今日のポトフは、完売か… 残念。
残ると、夜食にってバイト上がりに出してくれるから、それも楽しみの1つなんだ。
店としては、完売の方が良いんだけど。
森國さんと目が合った。
そろそろフードの注文かな?
「お呼びですか?」
「今日のおススメ、まだ有る?」
「申し訳ございません。完売しました。替わりに何かお持ちしましょうか? お魚が宜しければ、鯛のカルパッチョがお勧めです。 お腹に溜まるものが宜しければ、、、」
マスターに教わったとおりに、お客様の気分や好みを聞いて、メニューを提案する。
「じゃあ、そのラムの煮込みと、オープンサンド。付け合せは野菜多めで。あと、ワインは、チンクアンタ。今日は、ボトルで持って来て貰おうかな」
「はい。かしこまりました」
コレッツィオーネ チンクアンタは、確か、この店の隣の事務所の所長さんの好きなワインだ。
ボトルでって事は、今夜は約束してるのかな?
森國社長と、七尾所長は知り合いみたいだし。
森國社長の隣の席は、空けておいた方が良いだろう。
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