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マスターにオーダーを通すと、何か少し考えているようだった。
「旬。バットに氷出して。出したら、塩を一掴み氷に振りかけておいて」
「はい。 分かりました」
一体、ナニを作るんだろ。
疑問に思いながらも、言われたとおり用意する。
「ワインを寝かせて置いて、クルクル回してくれるかな? 2分間」
「はい」
キッチンタイマーをセットして、氷の中でクルクル転がす。
「七尾所長は、この赤ワインは少し冷えたのが好きなんだ。 多分、一緒に飲むだろうから。それに今日は、春とは思えないくらいの陽気だったから、森國社長も冷たくて良いと思うんだけど、温度の好み有るか聞いて見て? 常温が良ければ、もう一本出そう」
「分かりました。確認してきます」
カウンターに戻ると、七尾所長が来店していた。
おしぼりを受け取りながら、史花さんと親しげに話している。
七尾所長は、マスターとも知り合いなんだよな。
なんとなく、敵対心。
この人は、オレと同じ匂いがする。
普段はそっけないんだけど、ほんの時々、マスターに柔らかい視線を送るんだよね。
もしかして、マスターに気がある?
そんなヒマがあったら、森國社長とくっ付けよ!
森國社長が、七尾所長に想いを寄せているのは、誰がみても明らかだろ‼︎
森國社長は、絶対、ゲイかバイだと思う。
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