プロローグ

2/2
前へ
/84ページ
次へ
 3番テーブルに、今日のおススメ「ホタテの海鮮ポトフ」を提供する。  「お待たせしました。ホタテの海鮮ポトフでございます。お熱いので、お気を付けてお召し上がりください。では、ごゆっくりお過ごし下さいませ」  取って返して、お水とオシボリを用意し、カウンターへ行く。  「いらっしゃいませ。森國様。今日は何をお持ちしましょうか?」  「(しゅん)くん今日もバイトなの? お疲れ様。そうだなぁ…… 先ずは、ジントニックを貰おうか」  森國様は、このビルに入っている美容サロンの経営者で、ほぼ毎日来てくれる、常連さんだ。  ありがたい。 「かしこまりました。本日は、タンカレーを冷やしております」 「いいねぇ。ジンはタンカレーが好きなんだ。僕の好みを覚えてくれているなんて、嬉しいな。それで頼むよ」 「はい。かしこまりました」 マスターに声をかける。 「森國様、ジントニです。ジンはタンカレーをご所望です」 「了解。タンカレー冷凍庫から出しておいて」 「はい」 「(しゅん)さん。後ろ通りまーす」 史花(ふみか)さんが、デザートを運ぶ。 3人が慌ただしいリズムで動く。 まるで、息の合ったフォーメーションのようだ。 長年組んだバスケのチームメイトみたいな。 やり甲斐が有って毎日が楽しい。 コレって、もしや、恋の仕業?
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1166人が本棚に入れています
本棚に追加