カクテル言葉に翻弄される件

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20時。 もうすぐ、森國社長が来るだろう。 なんだか、どんな顔をしたら良いのか分からない。 普段通り、、、いつも通り、、、って、どんなんだっけ? 「旬君。お疲れ。 今日はどうしたの? 百面相だね(笑)? 」 「あっ。いらっしゃいませ。森國社長。いつものにいたしましょうか? 」 「いや。 今日は、違うものにしたいんだ。」 「珍しいですね?」 「うん。 バレンシアの気分なんだ。たまには君も一緒に飲まない? 君の分は、オレンジジュースを多めにしてもらうといいよ。」 「かしこまりました。 では、ご一緒させて頂きますね。」 バレンシア、オレンジジュースのカクテルなんだ。 美味しそう! 「オーダーです。バレンシア2。1つはオレがご馳走になったものなので、オレンジジュース多めにして下さい。 」 「オーケー。 森國社長でしょ? もしかして、君たち、何か有った? 」 「えっ!? 何かってなんですか? 」 「いや。分からないけど。」 心臓が早鐘を打っている。 マスターに見られた? そんなはずはないよな。 何か気づいているのか? マスターだけには知られたくない。 「はい。上がったよ。君も飲むなら、おつまみを作ろうか。ナッツ、オリーブ、ドライフルーツ、ビターチョコ、チーズの盛合せをサービスするから、森國社長にお願いして勉強させて貰おう。」 「はい。分かりました。」 「頂きますの乾杯は、必ず自分のグラスをお客様のグラスより下にして合わせてね。」 「あ、知らなかったです。ありがとうございます。」 じゃ、今日は僕がお出しするね、とマスターが姿勢を正してカウンターへ向かっていった。
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