カクテル言葉に翻弄される件

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「えー⁈ 僕もアイスボールが良かったな。旬君の初お目見えでしょ? 」 「2つ合格したから、まだ、有りますよ。何かお持ちしましょうか? 」 「そう? じゃ、僕も春日さんと同じものをお願い。」 「かしこまりました。」 四角い氷を丸く刻むのは難しい。 まだ、マスター程上手くないけど、常連の2人なら、ちゃんと意見してくれるだろう。 「マスター。オーダーです。チンザノ ドライをロックで2つです。」 「七尾さん? 旬も飲むの? 」 「いえ、もう1つは、森國社長です。」 「了解。あと、1番テーブル見てきてくれる? 食事が終わってたら、デザード出すから。」 「はい。分かりました。」 レモン水の入ったデカンタを持って、テーブルへ行く。 お水を継ぎ足し、空いたお皿を下げる。 戻って、マスターに声を掛ける。 「1番テーブル、デザードお願いします。」 「了解。ドライのロック上がったよ。1番は僕が行くから、カウンターに戻って良いよ。」 「はい。分かりました。」 戻ると、2人は何やら親密な話をしていた。 「失礼します。 チンザノ エクストラドライのロックでございます。」 「ありがとう。フードも頼もうかな。今日のおススメはまだ有る? 森國は? 」 「はい。ございます。今日のチキンはハーブが効いていてとっても美味しいですよ。森國社長はいかがされますか? 」 「そうだね。随分つまんじゃったから、、、トマトのブルスケッタでも貰おうか。」 「それも良いなぁ。俺もブルスケッタも頼むよ。」 「はい。かしこまりました。」 そういえば、ミラーリングって相手を信頼させるんだよな? 心理学で習ったような… 今日は無意識かもしれないけど、お互いをミラーリングしているように見える。 もしや、この2人はお互い気付いて無いだけで、相思相愛? ベクトル調査をし直さなくては。
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