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「ご馳走さま。今日はこれで帰るよ。」
「森國様、今日はご馳走さまでした。ロングカクテルの勉強にお付き合い頂きありがとうございました。まずは、ジントニックを作れるように頑張ります!」
「それは嬉しいな。今度は休日の前の日に、ショートも飲んでみる? 」
「あ、本当ですか? 勉強させて貰えるのは有り難いです。」
「では、いってらっしゃいませ。」
amenoでは、お客様をお見送りする時、「いってらっしゃい」と送り出す。
この店で癒されて、また、日常の戦場に戻っていく、そして、疲れたら、またここに戻っておいでという気持ちを込めて。
カウンターに戻ると、七尾所長がニヤニヤして話しかけてきた。
「今日飲んだカクテルはどんなのだった? 」
「はい。全部ロングで、バレンシア、ジントニック、ブルドック、です。」
「へぇー。森國もなかなかやるな。」
「はい。お酒強いですよね? 全然酔った感じがしない。」
「そぉ? 森國は、別のものに酔ってると思うけど(笑)。」
「え? ブルスケッタって、お酒入ってます? 」
「いや。そうじゃないよ。旬君はさ、カクテル言葉って知ってる? 」
「いえ。初めて聞きました。」
「ん。カクテルには、花言葉みたいに、カクテル言葉っていうものがあるんだ。」
「本とか、売ってるのかな? 」
「もちろん。マスターが持ってるから、見せてもらうと良い。今日のカクテルの意味知りたい? 」
「あ、はい。 知りたいです。」
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