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失恋してショックだった。
でも、お陰で蓋をしていた別の気持ちに気が付けた。
考えても、考えても、分からない、けど、気になってしょうがなかったこの関係も。
真っ先に作れるようになりたかった、タンカレートニックの意味も。
全部、全部、簡単な事だった。
だって、ほら、キスがこんなに気持ちいい。
絡まる舌が、こんなに優しい。
朔の甘い香りが、こんなにも、オレを酔わせる。
もっと、もっと、触れたい。
素肌で、お互いを感じたい。
「… 旬。いいの? もう… 止まれないかも… 」
「… オレは、もう… とっくに止まれない。」
「はぁぁ。可愛らしい小悪魔め。」
「天使じゃなくてごめんね。」
「クソっ… 」
ベットに押し倒される。
雄のスイッチが入った朔の瞳は、艶めかしい。
その視線に絡みとられて、オレは、グズグズになる。
少し硬めの短めの髪。
尖った顎。
太い首。
ゆっくり指を這わせる。
知ったばかりの愛おしさが込み上がってくるみたいだ。
胸が内側から掴まれたように、苦しくなる。
どうしてこの魅力的な男に気が付かなかったんだろう。
このまま、ずっと、見ていて欲しい。
ずっと、オレだけを見ていて欲しい。
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