⁂ アルバイトを始めて丸一年経った件

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「良かったー。 実は、次の火曜日に、僕の行く仕立屋さんの予約してあるんだ。早速一緒に行ってみよう!」 「は? 仕立屋さん? 」 「えっ? 」 「スーツ屋さんではなく? 」 「はぁ。 ダメだよ。吊るしなんて… 特に旬は、筋肉質なんだから、身体に合わせて作らないとカッコ悪い。就職祝いも兼ねて、3着くらいプレゼントしようと思ってたんだ。」 「あのさ、朔のよく行くお店なんだよね? 因みにそのスーツ、おいくらくらい? 」 「コレ? ビジネス用だから30万くらい。」 「はぁ?? マジで言ってんの? そんなの貰える訳ないじゃん‼︎ 」 きっとスーツだけじゃなく、合わせてネクタイやらベルトやらも選ぶんだろ? 一体いくらになるんだよ! 「ちょ、ちょっと待って! 怒らないって言ったよね?」 「いいや。怒らないとは言ってない。内容によるって言ったんだ。」 朔は、慌てた様子で考えている。 「分かった。こうしよう。 僕のスーツはフルオーダーなんだ。イージーオーダーなら高めに見積もっても10万はしない。コレ、1着分で3着作れる。それならどう?」 「んー。感覚がおかしくなってる気がする。それなら良いかなって思ってる自分は、正しいんだろうか… 」 「でもね、これから毎日スーツだよ。身体に合ったものは、見た目だけじゃなく、着心地が良いから疲れない。それに、4月からは外回りもあるだろ? キチンとした服装は信頼も得られるんだ。」 確かにそうかもと思う。 取引先には、有名企業も入っていた。 「そっか。そうなんだ… 。すいません。宜しくお願いします。」 「よし。 そうこなくっちゃ。」 足元に置いてある大きな紙袋が目に留まる。 小箱が沢山入っているようだった。 「ところで、今日は随分な荷物だね?」 「そうそう、コレ使って貰おうと思って。」 「何? 」 「ウチのメンズエステで使ってる化粧品。今度、僕が使っているホテルのアメニティに、ウチで開発した商品を置いて貰える事になったんだ。」 「へぇー。スゴイ! レポートでも書く? 」 「そこまで考えて無かったんだけど、そうしてくれるとスゴく助かる。」 「うん。分かった。協力するよ。」 「ありがとう。」
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