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いつもは、穏やかに行われる行為も、今日ばかりは性急に感じられた。
朔も、これに飢えていたと言うのは間違いないだろう。
久々の生の繋がりは、敏感になった身体を更に感じさせ、一気に硬さを取り戻させた。
「あぁ… いい。旬。好きだ。」
嵌め込まれたものがドクンとまた嵩を増した。
「オレも。 スゴく好き。このまま、ずっと、離れたくない。」
「旬。君と結婚したい。」
「朔。オレもだよ。ずーっと一緒に居たい。」
お互いを求め合い、深く口付けを交わす。
絡まる舌が水音を立て、欲情をかきたてる。
チュッとリップ音を響かせ離れた唇は、まだ、水の糸で繋がっていた。
「動くよ。」
律動が始まり、深い場所を抉られる。
「あっ。 … ダメ。 … そこっ。 」
「いい、じゃなくて? 」
「ダメっ… また、 イクっ 。」
「良いよ。 逢えなかった分、沢山シよ。」
「はぁっ… あぁぁ… 」
再びの放出。
しかし、まだ、熱は治らない。
首に、鎖骨に、キスが降って来る。
所々強く吸われ、チクッと痛みが刺す。
多分、明日は花畑になっている事だろう。
「僕も、もう来る。」
打ち付けが激しくなり、ベットが軋む。
あっ、と切ない声と共に、朔も果てた。
内壁に熱い飛沫がぶつかる。
2人は、乱れた息が整わないまま、強く抱きしめ合った。
いつもなら、一度抜け落ちるものが、今日は硬度を失わない。
「旬。ごめん。このまま良い? 」
返事も聞かないまま、新しい旋律を奏でる。
濡れた中は、先程より滑りが良く、クチュクチュと音を立てて、快感を促している。
もう、身も心もトロけてしまう。
逞しい背中に足を絡めて、返事の代わりにした。
もっと、来て。
気づいた朔は、ふっと優しく笑って、旬の髪を撫でた。
結局、朝まで抱き合って、起きた時には既にお昼だった。
慌しく朔は出て行き、いつもの朝エッチは出来ず仕舞いで終わってしまった。
少し、もの寂しい。
旬は、微かに残る朔の香りに包まれて、もう暫く微睡んだのだった。
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