パーティーは・・・な件

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七尾所長と、樹さん一家が座っているテーブルに行く。 「旬。森國。おめでとう。本当は、今年も俺が神父役をやりたかったよ。」 樹さんは、去年神父役をやったらしい。 隣で、史花さんも微笑んでいる。 「リンクピローは、私が作ったの。」 「そうなんですか? 史花さん、有難うございます。」 「良かったな。旬。 沢山の人に祝われると幸せになれるらしいぞ。」 七尾所長がそう言った。 「旬。これはゴールじゃない。スタートなんだ。もし不安な事が有ったらいつでも相談してくれ。 あ、あと、上司として1つアドバイス。 指輪は暫くしない方が良いかも知れない。指輪を見て、新卒で入ったばかりで既に結婚しているという事が客先で話題に登るかも知れない。 余計な詮索を躱すには、挨拶回りが終わって落ち着いてからくらいにすると良いと思うよ。」 「そうですね。隠すつもりは無いけど、余計な先入観を持たれるのも面倒だし。」 「森國は? それでも我慢出来る? 」 「勿論。 これでも多少の生きづらさは感じてるから、旬の足を引っ張るような事は言うつもりは無いですよ。」 「だって。 良かったな。」 「はい。」 「マスターみたいに、首から下げられるように、プラチナのチェーンを買ってあげるよ。」 「えっ?」 「何だよ、森國。 結局、身に着けてて欲しいんじゃないか。まぁまぁの束縛だな。旬。苦労するよ。」 笑っていると、マスターがやって来た。 「きっと、森國社長は、僕と一緒。本当は、誰にも見つからないように、しまって置きたいんだ。」 「確かに。 そんな風に思う事も有るなぁ。」 「やめてよ。」 「大丈夫。 どんなに距離が離れたとしても、僕たちは見えない絆で繋がってるから。これからも末永く宜しくね。 旬。」 晴れやかな笑顔の朔は、オレに優しくキスを落とした。
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