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自分の境遇を“呪い”だと言い切った真緒。
【モテる】という概念を超過し、周囲の男共を狂わせてしまう彼は、俺が考えるよりもずっと深く傷付いていた。
呪いの解き方も分からない。ただ、逃げの一手で生活しなければならない。
それに比べて俺の“埴輪にしか見えない呪い“は、実害がなく、むしろ真緒には都合の良い話だ。
これは呪われた者同士助け合っていく運命なのか? 俺が真緒に狂わない理由がそこにある気がする。
だからさ、真緒。安心して一生一緒にいてくれや。見てくれや才能も全部含めてーーあ、これただの歌詞ッ。しっかりしろ俺! プロポーズになっちゃう!
「真緒、俺はお前をお荷物だと思わねぇ。今までと変わらず、ずっと傍にいるから消えたいとか言うな。俺の隣で、生きろ」
「……ありがとう。その気持ちだけで救われるよ」
「よし! じゃ、明日から枕と梅子(猫)持って俺んち集合な!」
「……それは智樹や智樹の家族にも負担が掛かり過ぎる。僕を抱いてくれた方が手っ取り早いよ」
「いやいや、そっちの方が負担デカイわ! だいたい何で俺? お前も男なら、女子抱きたいとかなんないの?」
「ならない。可愛いとは思うけど、猫や赤ちゃんに感じる気持ちと同じだよ」
さらっとカミングアウト(?)されて、驚きのあまりマスオさんみたいな『えぇっー?』が出た。いや、気持ち的に『ゑゑ~?』だな。
「えっ、お前そうなの? 女子に反応しないタイプ? ……あっ……だから俺厳選の【熟女に魅せられて~敏子と秘湯巡り~】を『悪趣味』って詰ったのかよ?」
「ちょっと意味が違う。女子に限らず、男にも性的な感情が湧かない。あと、そういうの関係なく智樹のチョイスは変」
失礼な! 割と上品なエロなんだぜ。鬼畜系より断然好み。
「だったら何で、俺に抱かれたいんだよ? 言ってる事矛盾してね?」
「苦手なタイプに無理やりされるより、ヘタレな智樹の方が安心出来るし、童貞だから無茶しないでしょ? ヘタレな智樹で免疫付けとくのが最善だと思った」
正論で躱すつもりが、逆にコテンパンにされた上に俺を予防接種扱い。
「あのなぁ真緒、ヘタレヘタレいうけど俺だって本気出したら何かすっげぇ事なると思うぞ。じいちゃんにも“お前は大器晩成型だな”って褒められてるんだぜ!」
「それ、単にポンコツって意味じゃない? 智樹は意気地なしだから一生童貞だね。既に太湖くんにも負けてそう」
「あ? ふざけんな。俺は常に“いつする?今でしょ!“ 精神だわ。今から本気出してやる。その代わり音をあげんなよ? やるからには徹底的だ。泣いて許してって叫んでも終わらねぇぞ? いいな?」
「イエッサー」
○
ーー宣言通り俺は、心を鬼にし、呼吸を乱した真緒が“もう早く終わらせて”と叫んでも一度も止めなかった。
俺の下で苦しげに息を吐く姿を、じっくりと眺める。
そして朦朧とする真緒の口をこじ開けて、俺特製の白い液を飲ませた。
咽る真緒。酷使した体を震わせて、“智樹は鬼だ”と悔しそうに睨み付けてきた。それでも俺は止めない。
そもそも、先に煽ってきたのはお前だろ?
だから、どんなに嫌がっても俺はやり続けるぜ。
真緒のーーゴリマッチョ化計画をな!
名付けて【鍛えて変態共をぶっ飛ばそうぜ大作戦】
なまった真緒の体をトコトンしごいてやった。
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