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「他の客の迷惑になる。あまり散らかさないようにやってくれ」
「了解、勇者。賞金稼ぎども、鞘から剣抜いたからには命かけろよ。お前が相手をするのはキャラバンでも僧侶の行列でもない。国からボランティアで派遣された勇者パーティーだ。いくら魔物を倒そうが給料は出ないし報酬もない時だってありゃあ、アイテムだってどこの犬がションベンひっかけたか知らない薬草かじってまで生きていかなきゃならねぇ自給自足だ。ぬくぬく生きてるお前たちとは格が違うんだよ」
リカルドはジークフリデを一振りすると、斬撃が賞金稼ぎたちの頭をかすめ、店の壁に衝突する。
「すごい。斬撃がかまいたちとなって飛んで来たっ!」
リカルドの新技に賞金稼ぎたちは、戦意を喪失してしまう。
戦う前にビールを三杯ほどひっかけたので、酔った勢いで手元からジークフリデが抜け、壁に刺さったのだが、そこは黙っておこうとアグリスは言葉を飲み込んだ。
「賞金稼ぎさんたち、あんたたちは騙されてるのよ。あんたたちを雇った奴の狙いはわたし。デュランドやリカルドが邪魔だからあんたたちを雇って殺そうとしてるだけよ。ストーカーのやりそうなことね」
アグリスは賞金稼ぎたちにそう言った。
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