お便りの時間です

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 「そいつはウェールド中区十三番地二丁目の七の一軒家にいる。古い木造住宅だ」  「ちょっと待ってね。ググッテググッタ、ググルデツ。ウェールド市街地の地図よ出て」  アグリスが呪文を唱えると、テーブルの上にウェールド市街地の地図が浮かび上がる。ウェールド市街地はマインスイーパー山脈の麓から市街地の正門を抜けた工業区の北区に始まり、店のある中区とその周辺の商店街から伸びる住宅地、東区と西区。南にはウェールド国王が棲むウェールド城と警備兵の詰め所がある。 勇者パーティーのいる店の部分が赤く光り、そこからポツポツと足跡の形をした印が出てくるや、賞金稼ぎが教えた住所に移動した。  「ひぃ、ふぅ、みぃ。足跡一つで徒歩一分だから、店から徒歩十分程度の距離ね。悪魔の関節キッスの射程距離からかんがみても、間違いはなさそうね」
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