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「お前、正気か?」
「ドノヴァンはわたしには手を出せない。フィギュアたちはわたしには攻撃をしかけてこないはずよ。わたしが戻って来るまでは、そいつらの相手しておいてくれたらたすかる」
アグリスは、勇者パーティーとフィギュアが入り乱れる中、ゆっくりと歩き始める。相手が自分に好意があるなら、勝機はある。
ドノヴァンの住居の玄関からリビングへ。それにしても熱心なものだ。アグリスが勇者パーティーに加わってからの活動の様子が、新聞から切り抜かれ、壁一面にびっしりと張られており、道具屋で買った下着の種類や値段まで細かくメモが記載されている。
爆破魔法で木端微塵にしたり、爆風魔法で吹き飛ばしたりすればスッキリとするんだろうが、近所に大迷惑がかかってしまう。魔法を使わずに解決の糸口を見つけるしかない。
そう思いながら進む内に、ドノヴァンの部屋にたどり着いた。
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