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「どんどんいくわよ。ウェールドにお住まいのリオナちゃんファンさんより。勇者たちの活躍、いつも楽しく読ませて貰ってます。ところでリオナちゃんにかけられた懸賞金が先日五百万レグスに到達しました。リオナちゃんはどこにいるのでしょうか? 宜しければ教えていただけますか?」
パーティーの一人宛てのファンレターで、リオナ宛てのものらしいが、追っかけと言うよりこれは賞金稼ぎの文面だ。リオナに懸賞金がかけられてから、ずっと目を付けていたようだ。匿名希望で出すのは名うての賞金稼ぎではない、ウェールドの一般市民に違いない。
「おいおい、やけにモテるじゃねえか?」
リカルドは、ニヤニヤしながらリオナの方を見た。
「あたし、しつこい人きらいっ!」
「教えてあげてもいいけど、何て伝えようかな」アグリスはお便りを眺めながら答えの内容に思考を巡らせる。
「ちょっとアグリス、あんた大事な仲間を売る気?」リオナはテーブルに身を乗り出した「宝箱のカギを開けるのも、宝物の価値教えたのもあたし頑張ったのに、あたしを得体の知れない賞金稼ぎに売るの?」
「売らないわ、殺すだけよ」アグリスは冷たく言い放った。
「殺すって、あんた正気で言ってるの?」リオナはアグリスの一言にますます逆上する。
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