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お願いだから寝かせてくれ
うるさい...。
凄くうるさい。
だまれ人間ども。
汐ヶ崎高等学校、最上階の隅にある教室は今日も朝から騒がしい。
デザイン科なのに。
普通デザイン科というのは、静かで落ち着いてる雰囲気じゃないのか...!?
「ねぇ!!!ねぇねぇねぇねぇねぇ!!!」
...........うるさい
「ねぇってばぁぁーー!!」
このまま放置したら止まらない気がする。
スルーして寝よって思ったのに。
こいつはこのデザイン科のなかで、
特にうるさいヤツらNo.1に君臨する倉田ゆきだ。アホである。
ついでに俺は浅垣 咲羽だ。
咲くに羽で“しょう”って読むからよろしく。
「...んだよ」
「あのね!今日転校生がくるんだって!」
「ふーん...」
転校生か
もう6月なのに時期外れだから、いじめか親の転勤かなにかだろうか。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
本鈴がなる前に少し寝むらせてく....
_____キンコンカンコーン
.....れなかった。。
倉田と話してたせいで寝れなかったじゃねぇか。
それより役目を済ませないとな。
と思って俺は息を吸った。
「きりーつっ!!」
声が通らないくらいの教室の中で俺の声が響いた。
毎日まいにち、声を張るのも疲れるんだよな。
お願いだから眠らせてくれ。
(:]ミ(:]彡(:]ミ(:] 彡
「はい、静かにしてー。もう噂になってるからみんな知ってるかな?転校生だ」
やる気のなさそうなダンディーな岡山先生がホームルームを始めた。
岡山先生は楽しいから好きだ。
それでも微かな声だが喋ってる人がちらほら。
まったくこのクラスは落ち着きがないな。
_______ガラッ
教室のドアが開いた。
少し茶髪で小柄の男子だ。
緊張しているのか汗がだらだらと流れているのがわかる。
見るからにスポーツをやってそうで、うるさいヤツらトップに君臨しそうだ。
関わりたくないがまずは関わってみなければわからないよな。
「こ、こ、こんちわーーーーっす!!」
よし、関わらないでおこう。
「み、宮原 翔です。よろしくおねがいしまっす!!」
うっ.....。
俺と同じ名前だ。
まぁ、関わらないからなにも考えないでおこう。
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