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帰り支度が終わった凛さんが見えたから
車のドアを開ける
乗り込むのを確認して
気を付けながらドアを閉めた
「山岸です。よろしくお願いします」
「…初めてですよね?
場所…説明しますね…」
凛さんは眠そうに言った。
「大体場所は聞いてるのでわかります。
近くになったら道案内してください」
「…はい。お願いします…」
…車の中じゃあまり喋らないって
職場のヤツから聞いた事があるけど、
家まで無言かな…
「お客さんいっぱいでしたね」
当たり障りのない事を言ってみた…
「…給料日あとだから…かな?」
ハァ…と凛さんはため息をついた
…あっさり会話は終わった…
眠そうしている凛さんは
そのまま眠ってしまうかと思ったけど
じーっと前を…進行方向を見ていた。
時折、運転席側を見たりして…
それが少し気になった…
そしてそのまま会話はなく…
道案内だけで終わった…
「着きました。今鍵をお返ししますね」
「はい…ありがとうございます」
車から降りて声を掛ける
「お疲れ様でした」
凛さんも車から降り、
「おやすみなさい…」
少しフラついた足取りで歩いて行った…
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