あと、1ヶ月だから。

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「私を侮辱するんですか? モルヒネ貰ったら、私が実験台になった意味はどこへ行くんですか? 1ヶ月で治るとか、そんなのもう関係ない。私が唯一のデータ収集源なんです。私が狂わないうちは、絶対にモルヒネは使いません」 涙声で、噛み付くようにそう言った彼女の言葉は、俺を後悔させるには充分すぎた。 彼女が耐えていられるのは、自分が人の役に立てていると思えるからだ。 (たと)えそれがあの研究所のバカどもであっても。 そんな責任感の塊である彼女に、責任を捨てろと言った俺は、だから彼女に本当にひどいことを言ってしまったのだろう。 「ごめん……頭冷やしてくる」 いたたまれなくなって、立ち上がる。 俺は、なんて卑怯なんだろう。 逃げるように病室を出、ラウンジに早足で向かう。 隅の目立たない、硬めのソファに崩れるように座り込んだ。
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