ふざけてんのかよ。

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「……では、今日中に議事録を作成して各部署に配送いたします。何か連絡をお持ちの方、いらっしゃいますか?」 静まり返る会議室。 収束に向かった事態にホッと一息吐く間もなく、会議室の内線電話が鳴り響いた。 しかも、ランプは赤。 最大緊急レベルだ。 よりにもよって、内線電話はドアのすぐ横――つまり、俺の真後ろにあった。 「取っても、よろしいでしょうか」 一瞬躊躇してから、奥に向かって問いかける。 進行役が所長――とは言っても典型的な傀儡状態の――に目をやり、視線を受けた所長が慌てて所長補佐――こちらが実質的なトップだ――を見やり、所長補佐が頷くのを見て所長が安心したように首肯し、所長が頷くのを見て進行役が「取ってください」と俺に呼びかける。 所要時間、約5秒。 どんなバケツリレーだよ!! と内心叫びつつ、顔に出さぬよう抑制しながら「失礼します」と答え、受話器を取る。 「もしもし、大会議室2です」 部屋の奥にまで届くよう大きめの声を心掛けて話しかける。 『もしもしっ、第一病棟集中治療室です! 被験体Code7038に鎮痛剤を投与する許可を――っと、すみません。所長に取り付いで頂けますか』 悲鳴ような声でこちらにまくし立てる若い声は、Code7038、という単語が聞こえた途端全く耳に入らなくなった。 「おい、君?」 訝しげに問う進行役の声に我に返り、言うことを聞かない舌を必死に回す。
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