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発症者特有の、短いスパンでの発熱を何回か繰り返し、彼女は発症した。
最新の実験によると、発症者の苦痛はバーナーの炎で炙られる痛みの60倍。
しかし、そんな気が狂うほどの痛みの中でも、彼女は気丈だった。
1ヶ月経てば治るのでは、という信憑性の定かではない仮説を実証するため、安楽死を放棄したのだ。
彼女は患者ではなく被験体として扱われることになり、他に1ヶ月間耐えることを目標に入院している患者には処方されるモルヒネを禁止された。
もちろん反対は多かった。
人権侵害だと世間に訴える者。
発狂して暴走したらどうするんだと保身を図る者。
しかし、彼女は自分の意思で、被験体になることを選んだ。
入院してからの彼女の日課はカウンセリング、苦痛指数の計測。
あと何日、あと何日と耐えていた彼女に訪れた1ヶ月目はしかし、彼女に絶望しか与えなかった。
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