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序章 始まり
異能を使う特殊犯罪者、『異犯者』。
それを殺す事を生業としている者、『合法殺人者』。
とある夏の日、少年の日常が崩れ去る。
これは、とある少年の壮大な物語である。
━━夏の日、とある町の路地裏。
一人の少年と十人の青年。
あまりに異様な光景、少年は一切焦る様子を見せず、青年の一人を蹴った。
閃光の様な、速く、熱く、強い、そんな蹴りだ。
焦った青年達は震えた拳で殴り掛かる。
それに呼応したかの様に真上にジャンプし、パンチを避ける。
「拳の強さで勝てると思うな……よ!」
地面に着地した勢いで、青年を殴る。
さっきの蹴りも強力だが、突きの速さはまさに音をも置いていく程のスピード、ピストルの様な威力、蹴りとは比べ物にならない程の強さだった。
「み……見えなかったぞ……」
「あんなの……くそ! ずらかるぞ!」
青年達は半泣き状態で、少年から逃げた。
追いつこうと思えば追いつけたが、少年は溜息をついて青年達が見えなくなった後路地裏を出た。
「俺だって喧嘩したくないんだけどなー……」
夜鷹朝陽、通称“富山最強の高校生”。
絡まれていた女性を救ける為に絡んでいた男をボコボコにしたところ、その男がとある暴力団の若頭だった事から、暴力団から狙われる事になる。
しかし襲ってきた暴力団を次から次に返り討ちにして、とうとうその名が富山市中に広がった。
夜鷹自身はよく思っていないが、いい暇潰しなので大して不満にも思っていなかった。
「うし、帰るか!」
コンビニで週刊誌を買い、スキップしながら家に帰った。
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