戦慄の血

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赤水先生が教室に入って来た。 「今日は、3人も死んだから終わりよ。」 梨理香は、床に寝そべりながら、血が服に着く事に抵抗もなく、喚き始めた。 「やだぁ。 まだ足りない!」 赤水先生は、睨み答えた。 「霊子様に、逆らえば命はないわよ? それでも、良いなら続けなさい。 13時までには帰る事、良いわね。」 そう言い残し、教室を後にした。 梨理香は、皆に1つの提案をした。 「ねぇ、みんな。 みんなは、霊子様に命をかけられる?」 皆は、頷いた。 頷かなかった麻里奈と美穂の方に顔を向け、同じ質問をぶつけて来た。 「どうなの?」 麻里奈は、気丈に振る舞い答えた。 「当たり前でしょ!」 麻里奈に、続き美穂も答えた。 「私は、霊子様になりたい。」 梨理香は、口元が緩んだ。 「ならさぁ! みんなで村人狩りしない? あれ要らないよね!」 予想外の言葉に、対応手段が浮かばない。 「村人狩り?」 「そう! 霊子様は、誰も私達だけで殺し合えなんて言ってないでしょう? なら、血や死肉は、多い方が良いと思うんだけどなぁ。 どうみんな!」 皆は、頷き私達も頷いた。 海斗も、意見に賛成した。 「俺もやりたい。」 梨理香は、手を叩き合わせ明るさが増した。 「じゃあ決まり。 明日学校に来る途中で、村人を捕まえて来るか、死体にして持って来てね!」 その場で、皆は解散した。 霊子様の儀式に必要な生徒達は、儀式の最中村に、神の子のように大切に扱われた。 儀式最中以外は、殺しは禁止とされ、それを破った人は村によって死刑になる。 つまりこの時間だけが、麻里奈と美穂にとって安堵出来る時間。 麻里奈も美穂も、明日は自分が死ぬかも知れない。 そう思うと中々眠れず、そのまま朝を迎えた。 学校に向かう途中、悲鳴ばかりが聞こえた。 梨理香の言った事を皆が実行している。 私もしなけば殺される。 ごめんなさい。 近くにいた男性に近づき、心臓にナイフを奥深く突き出るほど指した。 男は、倒れ血を流しながら次第に鼓動を止めた。 「ハァ、ハァハァ! これを、持って行けば良いのね。」 死体を引きずりながら、学校に向かった。 死体は、思ったより軽かった。 あぁ!私が殺した。 これで私も殺人犯。 父を殺した人と一緒。 でも、復讐だけは遂げる。 必ず、父の無念を晴らす。 学校に着くと、廊下に伸びた血の跡が沢山あった。 皆が、人を殺したって事だね。 死体を引きずり教室に、入ると皆が黒板前に集まっている。 私は、何か確かめたくて近寄った。 すると、首のない死体が手足を天井の糸に結ばれ吊るされていた。 「この死体…誰?」 皆はわからないと言ったが、海斗は答えた。 首もとに火傷の跡がある。 「多分、神城桜の死体!」 「私達が、帰ってから誰かが殺したって事?」 梨理香は、間に入り言った。 「そうだよ。 あの神城桜を殺した誰かが、このクラスにいるって事。 はっきり言って、あの神城を殺したって事は、犯人が死死森霊子だと思う。」 私は、生き残る希望を失った。
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